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繰越欠損金とは
繰越欠損金とは、当期の赤字を翌年以降に繰り越して、黒字年度の所得から差し引くことで、法人税を軽減する制度です。赤字が出た年度に全て損失処理でき、その損失を最長10年間保有できます。
2018年度の税制改正により、繰越欠損金の繰越期間は9年から10年に延長されました。これにより、赤字企業の経営基盤強化が促進されています。
繰越欠損金が使える期間と限度額
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 繰越可能期間 | 最長10年間 |
| 控除限度額 | 各年度の課税所得の100%まで(制限なし) |
| 対象法人 | 全ての法人(大法人除く) |
| 提出書類 | 繰越欠損金の明細書 |
繰越欠損金の使用例
具体例:A社の場合
- 2023年度:赤字▲1,000万円 → 繰越欠損金1,000万円発生
- 2024年度:黒字800万円 → 繰越欠損金800万円を控除後、課税所得0円
- 2025年度:黒字600万円 → 残りの繰越欠損金200万円を控除後、課税所得400万円
- 2026年度以降:繰越欠損金なし
この場合、A社は10年以内に1,000万円の赤字をすべて相殺でき、その間の法人税負担を大幅に軽減できます。
繰越欠損金の活用時の注意点
- 10年の期限厳守:10年を超えた繰越欠損金は使用できません。経営状況を注視し、活用期限内に黒字転換できるよう計画が必要です
- 税務調査の対象:赤字を計上した年度の決算書が税務調査の対象になりやすいため、正確な記帳が重要
- 資本金の変更時の注意:支配権が50%超変わると繰越欠損金が制限される可能性があります
- 決算書への記載義務:繰越欠損金を使用した場合、決算書に「繰越欠損金の明細」を記載する必要があります
繰越欠損金を活用した節税対策のポイント
- 赤字決算でも申告は必須。赤字申告により繰越欠損金が発生します
- 繰越欠損金の残額を毎年確認し、10年以内に活用する計画を立てましょう
- 黒字転換時期を見極め、繰越欠損金の活用タイミングを最適化します
- 会計顧問や税理士と相談し、多角的な節税策との組み合わせを検討してください
赤字法人でも10年間の繰越欠損金制度を活用すれば、黒字転換時の法人税負担を大幅に軽減できます。制度の理解と計画的な活用が、経営安定化への重要なステップとなります。